紀行文 その15

更新 24年9月8日

東北地方の自然を訪ねて 小山恵一郎 2012年9月2日

今年の夏休みは、かねてからの念願であった八幡平、月山などで見られる東北地方の高山の自然を見に出かけることにしました。帰りは、鳥海山、酒田、蔵王を回って帰る計画を立てました。
【8月5日】
東北道沿道の主な見どころは、すでに行っていますので、今回は八幡平山麓の宿まで寄り道せずに行きました。

東北道を北上 夕方には岩手山の麓に着く


【8月6日】
八幡平へのチャレンジは、今回が三度目です。以前は山頂付近がガスで何も見えずに断念していました。この日も山頂直前からガスがかかっていました。でもめげずに少々山道を行きましたが、途中でカミナリが聞こえてきて、さすがに断念しました。
この日は平野部でも天気が危ぶまれましたが、予定を変更し、十和田湖へ行くことにしました。十和田湖は何十年ぶりなのでしょうか、小雨の中を乙女の像まで行き、遊覧船で湖上から絶景を眺めました。その後、奥入瀬渓流へ。渓流はうっそうとした森の中を渓流が流れていますが、車を止める場所が少なく、十分に見どころを味わうことができずに残念でした。帰路、発荷峠を越えるときには雨があがっていました。

八幡平を歩き出したが、カミナリで断念 乙女の像
遊覧船 遊覧船からの眺め
奥入瀬渓流 奥入瀬渓流
     
 奥入瀬渓流    発荷峠から


【8月7日】
昨日、八幡平へ行き損ねたので、この旅行で2度目のチャレンジ。無事アスピーテラインの八幡平レストハウスの駐車場へ。ここから、八幡平山頂、八幡沼展望台へ。展望台では八幡沼と湿原を一望できる絶景を見て、さらに八幡沼を巡る遊歩道をぐるりと一回りしてきました。特に八幡沼の周辺はニッコウキスゲが咲く湿原を木道の上を歩き、とても気持ちが良いものでした。
午後からは、時間もなく、鳥海山中腹のホテルまでまっすぐに向かいました。

アスピーテライン 山頂の駐車場付近
八幡平の頂上 クルマユリ
ガマ沼 八幡沼展望台
八幡沼 ニッコウキスゲの群落
     
 遊歩道を歩く    ニッコウキスゲ
     
     
 八幡沼を一周    秋田道へ入り、鳥海山麓を目指す
     


【8月8日】
この日は、鳥海山麓を巡る鳥海ブルーラインのドライブが中心です。
さて、朝、ホテルを出た車は、快適に道路を走ったと思ったら、どんどん道幅が狭くなり、すれ違いも出来ない山道に入ってしまいました。一時間も細い山道をたどり、山麓にある“奈曽の白滝”に到着しました。その近くに、“元滝伏流水”という場所があります。ここは、鳥海山にしみ込んだ水が、地下の岩脈から噴き出して、滝のように見えるところです。その幅は50mぐらいあるでしょうか。冷たい伏流水が、周りの湿気を帯びた空気を冷やし、あたりは川霧で覆われます。なかなか見られない印象的な風景でした。
そこからは、ブルーラインを登り、鳥海山5合目の鉾立展望台へ向かいました。あいにくガスがかかって視界が効きませんでした。ブルーラインの終点は、日本海へ出たところにある、十六羅漢岩です。日本海の海岸にある岩場に石仏が彫られています。
更に車を進め、江戸時代、商人の街として栄えた酒田へ。ここでは、本間美術館とその庭園を見ました。次に、明治時代に建てられた米保管庫である、“山居倉庫”へ。いくつも続く黒塗りの倉庫と、ケヤキ並木がきれいな色彩のコントラストを見せています。
この日は、日本海に臨む湯の浜温泉の宿に泊まりました。日本海に沈む夕日とおいしい海の幸を味わいました。


元滝伏流水

鳥海山 奈曽の白滝
元滝伏流水 元滝伏流水
十六羅漢岩 本間美術館とその庭園
本間美術館とその庭園 山居倉庫
     
 山居倉庫    日本海に沈む夕日
     
     
     


【8月9日】
この日は、旅行の見どころの1つである、月山8合目の弥陀ヶ原の高層湿原を目指しました。この道も途中からすれ違いができない山道になります。ここは路線バスや観光バスも通っており、なかなか運転が大変です。この旅行中、何度も味わったが、山麓は晴れているが、山を登るとガスがかかっており、8合目の駐車場はやはりガスの中でした。
半分霧の中の湿原を歩きました。幾分か高山植物の見ごろは過ぎているようでしたが、立派な池塘がたくさん見られました。中でも、最も奥の池塘には、その名の通り、尾瀬とここでしか見られないというオゼコウホネの花を見ることができました。この広い湿原も見事なものでした。
さて、車は月山を降り、山麓の羽黒山へ向かいました。社殿は、羽黒山三神合祭殿です。ここの敷地は広く、ここから数キロ下ったところに有名な国宝五重塔があります。谷間の杉林にひっそりと建っています。
この日は東北山地を横断し、遠刈田温泉の宿に泊まりました

霧で視界が効かない月山8合目 弥陀ヶ原
オゼコウホネ 弥陀ヶ原
弥陀ヶ原 羽黒山三神合祭殿
国宝五重塔

【8月10日】
遠刈田温泉から、山形に戻るように蔵王エコーラインを登り、蔵王の御釜へ。やはり山形盆地から宮城側への風でガスがかかっていましたが、御釜の視界を遮るほどではありませんでした。太陽の日の射し方で、湖面がエメラルド色に見えたりします。
帰路、山を少々下ったところにある、駒草平からは大きな滝と深い谷を見ることができます

東北地方の高山の湿原を訪ねる旅でしたが、真夏に晴れた空に巡り合うことは難しいようです。なんとか八幡平、月山の高地にみられる湿原を見ることができました。これらは貴重な自然の姿であり、永く維持したいものです。

蔵王の御釜
蔵王の御釜 刈田岳山頂にて
駒草平からの眺め


鳥取砂丘と天橋立ツアー 源 恭子 2012年7月4日

今日は梅雨晴れ間、気持ちの良い一日でした。
お元気ですか。
一泊二日のツアーに行ってきました。
7月1日、雷鳴のような音で着陸した大阪伊丹空港はザーザー降りの雨。
梅雨時の旅と覚悟していたものの、がっかりしながらバスへ。
20歳ぐらいの若いガイドさんの「お早うございます」の声で今回のツアーが始まりました。
途中、日本で一番短い国道174号線全長187.1mを見たり、三田に伝わる雷よけの「くわばらくわばら」の言い伝えを日本昔話のように語るガイドさんの話を聞きながら神戸へ。
北野の異人館、坂道を上ってまず重要文化財の萌黄の館と風見鶏の館に。
外観は違っていても中は長崎のグラバー亭に雰囲気が似ています。
2階が朝食の間になっているのを見て源が食事の用意をどうやって運んだと思う?と聞くので、メイドさんがそこの階段を…と言うと、違うと思うと言うので、食事だけリフトで上げたのではと思いつき、
施設の方に聞くと、食事は地下室で作って、働いている人は裏階段を通っていたのだとか。
1階の食堂には、暖炉の横に小さな窓がありそこから料理を出し入れたとのこと。
フリルのついたエプロンをつけたメイドさんがその料理をテーブルに運ぶ様が目に浮かんできます。
さらに坂道を上がっていくと途中には北野天満宮があり、ここは日本と誇示しているように思われました。
一番上の山手八番館。
館の入口に興福寺の天燈鬼、龍燈鬼を模した像が立っており、中にもインド風の仏像やドンキホーテの像が飾られて個人のコレクション展示場の様。
山手八番館を出る頃からまた雨がしとしと…。
バスは、鳥取海岸に向けて出発。
途中、雨が降ったりやんだり。浦富海岸では遊覧船に乗る予定なのにどうなるのかな、と思っていたら、陽が射して来たので喜んでいたら、海が荒れているので欠航とか。
エッ、と思いながら乗る舟を見たらこの大きさではと納得。
鳥取砂丘ではまず砂の美術館へ。砂に水を加え圧力を掛け固めたら彫刻のように削っていって作品を作るのだとか。
今年はロンドンオリンピックを記念してテーマはイギリス。
入口付近のアーサー王伝説以外は、館内の作品はほとんど外国人作家による作品だった気がします。
中央部は髑髏を持ったヘンリー八世、裏には劇場と側面にロミオとジュリエット。
一段と高い正面にはウエストミンスター寺院とビッグベン、またチンパンジーを伴ったダーウィンと横にニュートン等々。
見に行ったことはないけれど、札幌雪まつりの雪の彫刻を砂で作ったような感じです。
リフトで下って砂丘へ。砂、と言っても薄茶色。
向こう側の小山で海が見えない程。あの上までいったら見えるのかとも思ったが、時間が足りずに断念。
手前側は植物が生えていて緑の部分も。
TVにも出たという監視員さんに会ったら、写真を見せてくれて、冬、雪景色の砂丘もきれいなのでその時にまた来て下さいとのこと。でも、寒いだろうな。

2日目、青空も見えてきて梅雨時とは思えない程の天気に。
初めは餘部鉄橋を見に行きました。
昔の赤い鉄橋は半分取り壊され、列車が落ちた蒲鉾工場跡には観音像が…。
コウノトリの郷、豊岡を通って但馬の小京都、出石へ。
シラサギは田んぼのあちらこちらに見えるけれど、コウノトリは…。
嘴と翼の先が黒く、鶴に似た感じで、昔は鶴と思われていたとか。
鶴より体が軽いという言葉に車内の女性たちが苦笑い。
見えたという声に振り向くけれど…。はっきり分からないうちに過ぎてしまいました。残念。
出石は辰鼓楼という時計台がシンボルの城下町で出石皿そばが名物とか。
その昔、領地替えで信州から来たお殿様がそば職人を伴ってきたからだとのこと。
わんこ蕎麦のように少量の蕎麦が小皿に載っているのだとか。
食べなかったけれど、五食付きで○○円とのメニューを見ました。
また、沢庵和尚が再興した宗鏡寺があるせいか、味噌漬けの沢庵、赤紫蘇漬けの沢庵等変わった沢庵を売っていました。
日本三景の一つ、天橋立。
お決まりの笠松公園での股覗き。逆さに見ているだけなのに、不思議な透明感を感じます。
でも、本当にお天気で良かった。雨の日はもちろん、曇りだったらこの良さを十分に味わうことは出来なかったでしょうから。
リフトで下った後は、全長3.6kmの天橋立ウォーキング。
歩くのが苦手な人には、レンタサイクルや遊覧船もあるとのこと。
松並木の間、風を感じながら歩くのは気持ちが良かったです。
変わった松の木には、仲良しの松、千貫の松などの名前がつけられていて、根本が一つで上が分かれている「夫婦の松」をみた人が、「夫婦も年を取ってくると段々離れていくのよね」には、笑ってしまいました。
途中真水が湧いている磯清水、「飲んではいけません」の標識。
舐めてみたら、本当にしょっぱくない!不思議です。
最後は廻旋橋が本当に回転して浚渫船を通すところも見ることが出来ました。
思った以上に天候に恵まれ、楽しい二日間でした。

山手八番館入口の天燈鬼と龍燈鬼 砂の美術館
出石 辰鼓楼 天橋立 逆さに見ると…
廻旋橋