その25

更新 2020年12月21日

ニューヨーク便り 高橋 治美 2020年12月21日

みなさま、
 
 お元気でお過ごしでしょうか?この1年間は本当に大変でしたね。
まだ引き続きで、第3波と呼ばれる感染者が増えて例年楽しく集まることの多い年末年始を今年は
どう過ごしていこうかと考えさせられますが、14日からまた市内のレストランの店内飲食が禁止となり、
屋外は大丈夫ですが、この寒さでは難しいです。ワクチンの承認、供給が始まりました。
年末になって色々なことがまさに日々変化しています。
 
 アメリカは来年は政権交代です。まだ来年始めの就任式によってですが、先日オフィシャルに次期大統領に
バイデン氏が決定しました。諸々の理由、選挙人制度の是非はありますが、今回のように選挙に関心の
高かった年はなく、ここまでもめた年もなく歴史に残る選挙となりました。
 選挙の当確が出た土曜日の午後はNYCの街は本当に喜びで満ちていました。
車は警笛で、バイクの人達は旗を振って呼びかけ、そして歩いている人達は拍手でした。
午後は人出も多く、人々の顔が4年間の暗黒の時代から抜け出でる喜びで一気に明るくなりました。
間違った「強さ」、
「個人」、を誇示することによって人々の分断を起こし、過激な人々を煽り、国民の生活の安全を奪った
指導者の罪は大きいです。夜に限らずですが、今のNYCは種々の危険があった80年代よりも治安が悪いです。
銃犯罪はすでに2倍となっています。日本での報道は実際の生活、こちらの報道とかなり違っているように思われますが、
嘘だけでなく、とても巧妙な虚偽も多くあり、人々が惑わされています。これらも特にこの4年間に顕著になった事です。
現職の大統領は訴追されないことになっていますが、職を離れれば、と期待したいです。
政治家は知識、知性を持ち、国民の為に働くことのできる人が求められます。
Black Lives Matter以後、かなり多様性が重視されていますが、これも長い間改善されず、やっと、という思いです。
このところの広告などを見てもかなり変わってきています。あるスポーツ広告が日本では問題になっているようですが、
これも受け取り方がかなり違うと思います。それぞれの国の歴史、人種、現在の体制、等々、
色々な角度から情報を得て判断してほしいと思います。

 美術館などは人数、時間の制限をしながら開けていますが、コンサートや劇場が開くのはまだ来年の後半の予定です。
この9ヶ月の間、コンサートやオペラはストリームをしていて、いながらにしてロンドンやウィーン等の
演劇も鑑賞することができました。しかしどこも財源が厳しく、最近はチケット制になったところも多くあります。
それでも安く色々種類もあり、自粛中の楽しみになっています。オペラやリサイタルなどは人物の顔がはっきりと見えて
勉強にもなります。しかしやはり実際の劇場の雰囲気は特別で早く戻って欲しいです。
 感染の拡大によって生活は制限されていますが、技術的な面ではズームやウェビナーによっていながらにして、
世界のどこの国にいてもセミナーや展示会に参加でき足を運ぶ時間がいらないということで気軽に参加、鑑賞ができます。
私が所属する合唱団ではロックダウン直後からオンラインでの練習になりました。
全体で声を合わせるということはできませんが、他州へ引っ越された方、帰国された方を含めたリモートの合唱を
画像や録音で作り上げることができ、それを配信していくことはこの状況だからできたことかもしれません。
それでもやはり合唱は皆で会って一緒にということで屋上や公園で人数や距離に注意をしながら何回か練習を
し同時ズーム配信などもしていました。感染率が高いと言われている合唱は全体の活動はまだ先になりますが、
NYのクリスマス風景を入れたキャロル動画、ご興味のある方はご覧になっていただければ幸いです。
NYMC Winter Holiday Melody 2020 (ニューヨーク混声合唱団)
https://www.youtube.com/watch?v=IbBMtUXSNVo&feature=youtu.be
(URLをコピーし、最新のブラウザでご覧ください 小山)
 自由に旅行ができるまでには少しかかりそうですが、2021年中には、と希望を持ってそれまでお互い
健康に留意して気をつけて過ごしましょう。どうぞ佳いお年をお迎えください。

                           高橋はるみ

パラグアイ便り 伊賀上 知雄 2020年12月18日

 今年はコロナウィルス騒動で1年があっという間に終わり、早くも歳の瀬を迎える時期と相成りました。

 従来であれば無事に新年を迎えることが出来そうでまあ良かった、皆さんどうぞ良い年をお迎え下さい、
という感慨に浸るのですが、此のコロナウィルス騒動は此れから先どうなるのか、収束の時期は見えないし、
ワクチンも治験開始とメディアは報道していますが副作用の有無と内容は10年20年単位で丁寧な観察を
必要とするものがあろうし、また肝心の価格は御幾らになりそうか、遍く供給可能なね?等々考えだしたらきりがありません。

 ふと思いついて、20期生が在住している諸国に南米の大国であるブラジル、アルゼンチンを加えて
コロナウィルス感染につき比較表を作ってみました。それが下記のものです。
WHO公式HP掲載の12月15日発表数字を用いました。感染確認者数、死亡者数が増えているのは事実ではあるけれども
単位人口当たり、単位面積当たりでは各国どのくらいの数字なのかなと思ったのです。
各国何れも地域によって人口密度は大きく異なりますから国全体を均した単位面積当たりでバッサリ比較するのは
無理があるのは承知していますが、日本の抑制は結構良い数字になっているのでは?と思えるのです。
加えて日本の医療水準の高さは世界で定評あり、医療従事者の真摯な倫理観に満ちた対応もこれあり
日本はやはり安心な国では?と思えます。

当地の医療事情を若干申し上げますと、公立病院の集中治療室は従来の術後の患者、脳疾患や心臓疾患で
集中治療室で収容しなければならない患者に加えてコロナウィルスで重篤状態に陥った患者も居るので
完全に満杯状態となっています。
私立病院も集中治療室稼働状況は8割という限界を超えていて病院側も神経質になっていると毎日メディアでは報道されています。
機器を導入すれば何とかなるという訳ではなく、医師・看護師・技師を揃えねば機能しないのは万国共通ですから、
年初には想像もしなかった事態であるのは万国共通です。

 残念ながら治安も悪化しています。コロナウィルス騒動で企業も商店も飲食店も売り上げ減少に見舞われ、
政府・中銀は緊急融資や資金援助を打ち出すも資金繰りに目途が立たず、止むを得ず結果として従業員に
御引き取り願うという状況になってしまった事例が多々あり、失業者が増えて窃盗、強盗増という悪循環が
今年後半から目立ち始めました。もともとラ米諸国は貧富の差が激しく、当国とて例外足り得ませんが
政府も雇用維持・増加の決め手には欠いており、現政権は厳しい運営を来年も強いられるのは明白です。
小生居住している地域は安心安全な地域とされてはいるものの、所轄警察署は随時パトカーを巡回させる回数が増えたやに見受けられます。

 湿っぽい話に相成って恐縮です。今までは毎年定点観測のクリスマスツリーの写真を併せて掲載するのですが、
今年は高齢者は外出を自粛してもらいたいという政府の命令ではありませんが強い要望がありますから其れに従うことにしています。
そうだ、自分は今や既に“高齢者”の仲間入りをしているんだと改めて認識させられました。
現役を引退している退役隠居老人ですから自宅で静かな蟄居生活をしています。
ところが、慣れると結構面倒が無くて快適なのです。やりたくないことは後回し、やりたいことだけを急がず慌てず
焦らずに丁寧に行なえば良いのでして、高齢者はそうしているのが世の中の仕組みなんだと割り切ると楽ですね。
食料品や日用品は平日の朝7時にスーパー開店と同時に入店して必要なものを週に1回か2週に1回纏めて購入して
さっと引き揚げてしまうのですが、ところがどっこい、人間誰も考えることは同じで、朝7時入店組は実はジジババが
意外に目立ちますが客数は少ないですから買い物は落ち着いてできます。

 取り留めもなく記述してしまい失礼しました。諸兄諸姉の御寛恕を改めて御願いします。

Merry Christmas & A Happy New Year
Feliz Navidad y Prospero Año Nuevo
祝クリスマス 及び 謹賀新年

どうぞ良い年をお迎え下さい。

伊賀上 知雄 拝
令和弐年師走
パラグアイ在住

ロンドン便り<最終編>  グレスウェル中川紀代子 2020年12月9日

 3月に投稿してから世界中コロナで前代未聞の世の中になり、良き市民たちはじっと我慢の子を余儀なくされました。
日本の死者は相変わらず低く、イギリスでは、多い日には1日600人以上亡くなっています。
世界中で必死の努力をしてやっとできたワクチンをこの度イギリス政府がいち早く承認、
今日は90才のおばあちゃんがワクチン接種の第一号だとニュースにありました。こんなに急いでできたワクチン、
本当に安全なのかイマイチ確信できませんが、様子を見た方がよさそうですね。

 ところで、ロンドン便りー最終編としたのは、私がこの度一大決心をして日本へ永久帰国をすることにしたからです。
夫を2年前に亡くして、庭付きの一軒家にいつまでも住んでいられない、と思っていましたが、
この6月に母が97才で永眠(大往生)し、姉と弟と3人で相続の話になった時、実家をどうするかという話になり、
私が相続すれば色々な意味で好都合ーーー両親が残した多くの荷物も焦らずに住みながら片付けられる、
イギリスに住み続けると実家が無くなるということになり、それでも里帰りはしたいので、
そのたびに姉弟の家に居候するのも迷惑不便(なんせ、千葉と埼玉の田舎)だし、ホテルに泊まればお金がかかるしーーー
ということになりました。
実家はずっと繁く里帰りしていて、勝手知ったる我が家(その昔私が生まれた場所)でもあり、夫が元気なころ、
子供たちが独り立ちしたら、又日本に戻って住もう、といつも話していたくらいです。
実家の向かいのご近所さんとは親しくしていて、私が帰るのをとても楽しみにしてくれています。

 第一の問題は、4人の孫たちと離れ離れになる、ということでした。今でも、遠くに住んでいるのでたまにしか会えないのですが、
もちろんコロナで2月以来会っていません。でも、時々スカイプで1時間以上喋ったりするし、これは、
日本に里帰りしているときもやっていました。娘夫婦もみんなして、私が日本に住んだら休暇で来て泊まれる!と喜んでいる程です。
11才の双子は卓球にハマっていて、夏休みに二人で来て近くの卓球クラブに通いたい、などと言っています。
メルボルンの息子夫婦は、イギリスよりずっと近くなるので年一度は休暇で泊まりに来る、と言ってくれてます。
私の弟まで、ライブなどを見て帰りが遅くなる時に今まで通り実家があるようなものだ、と喜んでいます。

 それでも、第二の問題は、築49年の家で、同期の寺さんを頼りに、彼の後輩の方に色々アドバイス等いただいて、耐震をはじめ、
必要な手を加えて一先ず安心して住めるようにする計画です。長年の努力の結果、友達の数は圧倒的に日本に多いので、
これからまあ10年くらいは楽しく余生を送れるかな?と思っています。もう、美味しいものを食べて、
楽しいことしかするつもりはありませんので、皆さん、よろしくお付き合い下さい。
今回、相続の手続きは曽我さんにお願いし、全てスムーズに出来助かりました。
持つべきものは友、20期の輪を維持できて感謝しています。私ももしお役に立てれば嬉しい限りですので、何なりと聞いてみて下さい。

 さしあたっての問題は、今住む家を売って国際引越しをすることで、駐在員のように会社が面倒見てくれるわけでもなく、
一人でやらなければならないので大変です。最近買い手が決まったので、上手くいけば3か月くらいで帰国できるかと思っています。
目下、要らないものはごみに出し、本や洋服などはチャリティーショップに持って行く毎日です。

 さて、アメリカで今大変なことが起こっていて、大統領選をめぐって金持ちと中国が世界を自分たちのいいように操ろうとしている、
という話を耳にしました。バイデンが大統領になったら中国が益々力を付けて世界を支配するかもしれない、
とかいうサイエンスフィクション並の話なのですが、主なマスコミが全然報道しない、というのです。
私も半信半疑だったんですけど、マスコミが偏っているのは前から知っていましたけど
今回話に聞いたぐらいひどいとは思ってもみませんでした。
情報が氾濫している世の中ですが、公平にマスコミが報道するならいいのですが、偏っていて、少数反対意見などを無視するようでは、
民主主義が危ないです。最初一人の友達が言ってる時は、えッ、うそでしょ、という気がしたのですが、
何人かの人が指摘してYoutubeなどの動画を見て、と送ってくると、本当かもしれない、と思い始めました。
コロナのことも、中国で始まったのは明らかだし、WHOというのも中国寄りで結構嘘つくし。日本は中国のすぐ隣だから大いに心配です。
日本人は平和ボケしていてお人よしと思われているので、これから先フォローしなければならない課題だと思います。

 もうすぐクリスマス。21日から10日間は、久し振りに娘一家のところで過ごします。一応子守りのバブル、という呼び方で、
厳しい規則の中でも年寄りが行くことが許されています。普通の人達は、クリスマス中5日間のみ3家族まで一緒に過ごせるそうです。
でも、そのあと感染者が激増しないよう願っています

 今年は喪中なので、年末年始のご挨拶は控えますが、皆さんどうぞお元気で。
いつもながら、小山さん、HP管理人のお仕事ご苦労様でした。来年もよろしくお願いします。

パラグアイ便り 伊賀上 知雄 2020年6月3日

平素御無沙汰しておりまして恐縮です。20期諸兄諸姉、今回の武漢肺炎ウィルス騒動で何かと不便な生活を
強いられていましょうが、それぞれに工夫を凝らして乗り切っていることと遠察します。

6月3日時点でのWHOのHP記載数字では、感染確認数、死亡者数は次の如くになっています。
Coronavirus disease (COVID-19) Situation Report – 135

国名:          感染確認数     死亡者数    総人口(概数)
日本 :          16,986        900      1.25億人
パラグアイ :        1,013         11      700万人
ブラジル :       526,447     29,937      2.1億人
アルゼンチン :     17,415        560    4,400万人
チリ :          108,686      1,188    2,000万人
ペルー :        170,039      5,563    3,200万人
米国 :       1,798,330    105,008      3.8億人
英国 :         277,989     39,369    6,700万人
フランス :       147,935     28,883    6,500万人
ドイツ :         182,370      8,551    8,400万人


小生が居住しているパラグアイは人口700万人そこそこの小国ながら、ブラジル・アルゼンチンという大国の狭間で
今回のコロナウィルス抑制を頑張っているなというのを感じます。幾つか理由はあるのですが、
第一 : 初の感染者確認後に日を置かず、3月10日に政府厚生省は緊急事態宣言を出して国境閉鎖、
外国からの航空便到着を順次停止そして空港閉鎖、外出制限、夜間外出禁止(医療、警察など例外はあり)、
集会禁止、ショッピングモール閉鎖、学校休校などの緊急措置(勿論罰則規定付き)を直ちに発表し実施したこと。
第二 : 感染確認者は外国からの帰国者と接触者という言うなればどちらかといえば富裕層に属する人々が
当初は多かったので然るべき医療機関で適切に対処できて、低所得者階層への広がりを食い止めることができたこと。
第三 : 人口が700万人と少なく、また人口密度が16.5人/Km2 (日本は335人/Km2) と低いこと、
人口百万都市は首都アスンシオンのみという人口分布状況から集団感染発生の危険が低かったこと。
が挙げられます。
小国であるが故に小回りが利き、国民も此処一番で纏まり、メディアも感染拡大防止に向けての
具体的方法を常時説明し、厚生大臣(外科医)は毎日必ず記者会見して自分の言葉で丁寧に
状況説明をしていたことも良かったのでありましょう。

先々週から状況に応じて徐々に規制緩和が実施されましたが、ここぞとばかりに規制緩和を「拡大解釈」する方々も
当然に現れてしまい、現場には警察が然るべき指導を行なう為に出動したという場面もTVで報道されていました。

怖いのは所謂極低所得者階層が居住している貧民街での集団感染が当地では未だ発生してなく、
発生の危険は常にあり、一度発生したら抑制できるのであろうかという懸念です。
貧民街の居住環境は想像を絶するものであり、治安の問題もあって部外者が入ってゆくことは出来ません。
住民以外で足を踏み入れることができるのは住民に認知されている医者と神父に限られていて、
然もシマ割があって此の道路から向こうは〇〇親分、此方は〇△親分のシマと
住民でも勝手に行き来はしないという掟がある地域です。これから先は小生の想像なのですが、
多分警察も厚生省も親分衆を通じて感染の有無を調べており、疑わしいとなれば密に対応しているのだろうと思うのです。

そしてブラジルではサンパウロであれリオデジャネイロであれ掛かる貧民街の規模はとてつもなく大きく、
其の日暮らし住民が多いですから失業者も増大しているのは明白であり、食べ物や医薬品奪い合いという
小競り合いは既に発生しており、感染症対策は警察や厚生省当局の手には到底負えず
親分衆に実態は丸投げ状態で、既に感染者が相当数発生しているに違い無いと思わざるを得ません。
米誌ニューズウィークは既に報道していますが、記事内容はひょっとして氷山の一角では?と思うところです。

当国政府から外出自粛令が出て2週間位した頃でしたか、当地で親しく付き合っている日本人数名
(何れも日本生まれの日本育ち、日本で教育を受けて日本企業勤務経験者)と電話で話した折に、
2週間とは長いですね、参りましたという御発言があったんです。

そこで小生はついつい言ってしまいました、まだたった2週間でしょう、たいしたことはありませんよ、
実は今から48年前、卒業遠洋航海で旧日本丸(現在横浜みなとみらい係留保存中)に乗船して
5月初頭に晴海埠頭を出帆、サンフランシスコに向けて40日を要する太平洋横断航海に従事していましたが
24時間海と空を眺めるばかり船から逃れることは出来ない生活をしていましてね、
2週間というと漸く日付変更線を通過するのが目前という位置にあり残航3週間強という辺りでしてね、
まだまだ大したことはありません、此れからが本番でしょうと。

彼らは異口同音にそういうものですかね?と言うのでそういうものです!と断言したら皆さんそうですかと
引き下がりましたよ(笑)。

今回のウィルス騒動で世界的物流網や生産拠点見直し云々という話が出ていますけど、
実は感染症対応は結局は主権国家が自らの責任で自国民を保護しなければならない実態が明白になった、
換言すれば自国民の生命と財産を護れるのはやはり主権国家でしかないという事実を
改めて認識するのが重要と思う次第です。

欧州連合EUは結局は手を拱いていただけ、ブリュッセルのEU官僚諸氏は為すところ無しで、
4月中旬でしたか欧州委員会のフォンデアライエン委員長は欧州議会総会で
「イタリアが最も助けを必要としていた(感染拡大の)初期段階で、我々は支援できなかった。
全欧州を代表して心から謝罪する」という謝罪の言葉を発しています。

とまあ硬い話は此の程度としまして、最後は、ラテン世界で飛び交った小咄を少々御披露して〆ることとします。

1)国会議員
問 : 国会議員諸氏で感染確認者が未だ出ていない、その理由は何か?

答 : “厚顔無恥” “傲岸不遜” 此れが一番の免疫力でありワクチンだから。

(万国共通!)

2)ラテン世界
ラテン世界は本当に明るい人たちばかり。誰もが人が大好き、自然が大好き、外にいることが大好き。

そんなラテン世界の方々、長い間幽閉生活を余儀なくされていますが、
限られた空間でもなんとか人との交流を図り、連帯感を持ち、明るく振る舞おうと懸命です。

スーパーマーケットでは早朝から列ができています。

杖をついた老女を始め、数人のご年配が並んでいました。早朝はご年配や障碍者優先なのです。
そこへ車をそそくさと止めた若者が列の最前列へ進みました。
老女は戒めの言葉とともに杖でその若者を打ちました。
そこで、列の最後に戻ったかと思いきや、
またもや最前列に進もうとします。
今度は他の老人も松葉杖で叩きました。
もんどりを打った若者、

それでもまた前に進もうとして言い放ちました。

「どうでも良いけどね、僕を前に行かしてくれないと、このスーパー、今日は開けないよ。」

3)注意!
厚生省のいうことを鵜呑みにしないでください!

『マスクと手袋をつけていれば大丈夫!』

ということだったので、そのとおりにして外出しました。
でも、

みんなズボンを履いているし、シャツも着ていました!

以上、どうも御粗末でした。皆さん、創意と工夫で自宅籠城蟄居引き籠り生活を乗り切りましょう!

ロンドン便り グレスウェル中川紀代子 2020年3月30日

20期の皆さん、巷ではコロナウイルスのお陰で大変なことになっていますが、お元気でしょうか。

ここ英国では、3月のはじめ位まで感染者も死者も少なく、嵐の前の静けさを装っていましたが、
(感染者が少ないのは検査キットが少ないので、大分悪くなって入院してから検査するためです)
半ばくらいから急激に死者が増え、3月29日現在1228人だそうです。
私は、3月16日から4泊でプリモスの娘宅へ行くことになっていましたが、そのころには70才以上の高齢者と持病持ちの人達は、
食べ物を買いに行く以外は外出を控えるようにとお達しが出て、特に孫たちには会いに行くな
(子供は学校で感染しても症状が出ないから危険)と言われ、泣く泣く諦めました。
大勢が集まる催しやコンサート、サッカーの試合など次々とキャンセルされ、パブ、カフェ、レストラン、映画館、美術館なども閉まりました。
3月24日からはとうとう若い人たちも外出禁止、全国的に、医療関係者、スーパー関係者と交通網関係者、警察、消防関係者以外は
出かけるな、仕事は家からするように、ということになり事実上のロックダウンになりました。
もっと前からロックダウンすべきだったのですが、政府の方針が科学に基づいて(?)集団免疫を目指すのか、とか、
早くロックダウンした時の心理的な問題をどうするかとか、色々揺れたらしいです。
その間、チャールズ皇太子、ジョンソン首相、ハンコック厚生大臣なども感染し、エリザベス女王は4月で94才になるし、
その夫は6月で99才だし、危険なロンドンからウィンザー城に疎開して、側近たちが必死に守ろうとしています。
いつもは賑わうロンドンの中心地も静まり返っているそうです。

私の日常と言うと、月水金9-10時の高齢者(70才以上)と持病持ちの人用買い物枠に、歩いて5分のスーパーに買い物に行ってますが、
先週金曜からは入店人数制限があり、外で30分並びました。中でも、2メートル間隔の線がテープで貼ってあり、
レジも一人づつで次の人と間隔を2メートル空けています。日本のスーパーみたいに小さな店はどうするのかなあなどと思います。
棚に何もない所もあり(トイレットペーパーも少ない)、有るもので間に合わせなければなりません。
1日1回は一人又は家族で公園に散歩や運動に行ってもいいのですが、行き場を失った若い人たちで広い公園が混んでいると聞いて、
今のところ行っていません。
我が家には庭があるので、アパート暮らしよりマシですが、塀を隔てて隣人と話すのが対面で喋る唯一のチャンスです。
家族や友人には電話攻撃をかけて、愚痴を言いあい慰めあっています。
うつ病など精神病のある人たちを社会がどうサポートできるかが問題です。若い人がコロナを苦に自殺した、というニュースも聞きました。
これからどのくらい続くか分からない状況に、我々が対処していけるのかチャレンジですね。
目下孫たちとはスカイプで会話をしていますが、スキンシップがないのが悲しいです。
個人的には、結構うちの中でやる趣味が多いので退屈はしないのですが、時々オバタリアンランチに出かけて、
美味しいものを食べる(ほとんど和食)事もできないし、年金生活者のピンポンサークルに入って楽しみ始めたばかりだったので残念だし、
運動不足になりそうです。

とにかくコロナウィルスの攻撃から国と国民を守らなければいけない、いわば戦時中の様相ですが、いったい経済はどうなるのでしょう?
英政府は、外出禁止になって働けない人達(自営を含む)の給料を8割払う、と言っています。
これはかなりgenerousな(手厚い)政策ですが、実際の手当てが個人の懐に入るのは6月ごろか?と言われていて、
驚いたことに、この6月までの間に、家族に食べさせたり、家賃を払ったり、ローン返済をどうしてくれるの?と又批判されているのです。
何という国民なのか???この国は福祉の国と言われて、貯金しなくても国がどうにかしてくれる、という考えの下、
貯金をしないのが普通だと考えられていました。
でも、最近は不況だのリーマンショックなどで、将来に備えて貯金の重要性を訴えるようになったはずです。
福祉政策自体は、弱者の救済に理想的ですが、怠惰で他力本願の人間を作ると思います。
それに、今はクレジットカードという借金が簡単のカードまであります。
日本でも、若者達が貯金をしなくなったようですが、ここの国よりはマシだと思います。マシであって欲しいです。
とにかくこんな風に政府が予算を拠出して、国は破産しないのでしょうか?
そんな余裕があるなら、コロナの危険にさらされながら日々頑張っている医療関係者たち(多くは残業を余儀なくされている)の給料を
今の期間中だけでも倍ぐらいにするべきです。
働かないで8割の収入(手当)を得る人たちは、自分の意思ではないとはいえ休暇を取っているようなものですから。

とまあ、辛口の意見を述べさせていただきましたが、今の若い人たちがこれから生き抜いていくのは大変だと気の毒に思います。
我らの年代は、少なくとも戦後に生まれ、色々な事件や天災などありましたが、まあ平和な人生が送れたと思います。
今のコロナが収束しても、又別のコロナが出るかもしれないし、地球温暖化という大きな問題もあります。
我ら年寄りに出来ることは少ないですが、小さなことでも若い人達の役に立てることがあれば協力を惜しまないようにしたいですね。
今はとにかくこのコロナ禍を元気で生き延びましょう。
Let's stay positive!